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ひら農園

Author:ひら農園
ようこそ、「農園日記」へ
北海道、十勝の新得町屈足地区で農業を営んでいます。
作物たちの成長や農村の暮らし、農園の四季を綴っています。

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北の農園日記
北海道十勝のこだわりのジャガイモ・とうもろこしなどを栽培し、産直販売や観光農園、農業体験も行っている、ひら農園のオーナーが日々の農園の様子をお伝えします。
どうする?
2/8
農政改革と担い手農業者の在り方~

久々の講師でしゃべりすぎて、喉がイガイガの農場長です。
(少しだけ自分を整理してみた~農業政策ネタの長稿です)

十勝西部地区のヤングファーマーのゼミナールに講師の依頼を受けたのが前年12月。
いやぁ…パワーポイント、難産でした(汗)
資料作成もあと少し~って時に、PCフリーズしちゃって一瞬で半日分の仕事がパーになったり…(泣泣泣)
久々、PCトラブルで泣きました???

それでも何とかなりましたぞ(熱)
ヤングファーマーの中には地元新得の農業青年や酪農若妻の方も♪
皆さん、真剣に聞いてくれました。

ちょっと気合が入って、意気込みに任せてのほぼぶっつけ本番~!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

どうする1

今回のお題は、農場長がJA青年部の役員を通して経験してきたことを中心に農業政策に如何に関わってきたか、そしてこれからどうするか~みたいなテーマ。
考えてみたらそういうテーマで純粋な地元の後輩たちにお話しするのって10年ぶりくらいだわ~
(しかも約2時間…ふたコマも)
そんな想い入れも込めて自己紹介を兼ねての導入部分
―虎の巻―
・ かつて北海道担い手農業者を代表する者の一人として、見てきたこと、聞いてきたことを伝えたい。
・ 自分が皆さんの年代だったころから比べて、皆さんのこれからの苦労は計り知れない。勉強しなければやっていけない時代。求められているものを自覚認識する機会にしてほしい。
・ いずれ皆さんもそう言う立場になって、地域農業、地域社会にとってかけがえのない存在になっていく。今日はそのための予習だと思ってほしい。

ただ、そうはいっても農業政策の話…難しい、楽しくない~なぜか?
どうする2何故楽しくない

―虎の巻―
・ プロセスが共有されていないことと、現場の人間の声に発信性がないことと、キャッチボールが出来ていない(言いっぱなし、聞っきぱなし)
・ でも、『“知ること”が武器』になる。知らないと得体のしれない者達に搾取されても文句が言えない。
・ 特に北海道稲作、畑作本作、酪農は産業構造上制度支援が必要不可欠。農政課題や制度改革は農家経営に直結する。無関心は不認識を再生産してしまい農業者自身をダメにしてしまう。
・ だからちょっとだけ興味を持って、つまらなくなく“知る”ことに汗をかいてほしい。

では、農業政策~今までどんな流れできていたのか
どうする3基本法

―虎の巻―
<旧法と新法の方向性の違い>
・ <旧法>は戦後の食糧難の時代をようやく脱し、日本が国際社会への仲間入りが認められようとした頃。頑張ればなんとかなる…高度経済成長の夜明け。
・ 農村の変化→馬耕からトラクター、近代農業、高度構造改善事業→労働力の流出(過疎化=産業構造の単一化)
・ 食料増産と選択的拡大を提唱→みんなで手を繋いで頑張ろうよ!(護送船団方式)
<豊かさのひずみ>
・ 胃袋よりも舌の満足を求めるようになった。米も反収が伸びて「親方日の丸」の米は余るようになる→減反政策=平等原理による転作奨励策が開始
・ グローバル化→米も聖域ではなくなる?
<農業政策の大転換期と国際化の波>
・ 担い手不足、国際貿易規律の強化etc→内憂外患に対処する<新法>
・ 優先順位を決めて重要政策を担い手に集積=グローバル化に対応するために農業構造改革を推進する
<基本法の行動指針=基本計画>
・優先順位の高い重要政策を整理→経営所得安定対策
H12~次期基本計画まで主要三課題について審議会企画部会(H16)で議論される
『経営所得安定対策』『農地の利用制度と担い手の在り方』『農業環境政策』

経営政策の方向性は
どうする4経営政策

―虎の巻―
・ 経営所得安定対策とは?~をうけて、業界で組織討議がなされる。(H13/1~)
・ どのような制度ならよいか?どのような形態に導入されるべきか?
・ 意見集約を受けて農水省研究会が『農業構造改革推進のための経営政策』(H13/8)がまとめられる。
・ 大規模畑作経営の注目度と認知度に大きな差→まずは“お米”(次は“畑作”)
・ H16/4「品目横断の導入年はH19から」(亀井農林大臣)
<パッケージ政策>H19から導入
『内外価格差是正措置(品目横断)』『収入変動緩和対策(ナラシ)』『農地水環境向上対策』
・ 農業者の努力では埋めきれない構造上の格差を政策で支援する/消費者負担→納税者負担
・ 価格はマーケットで→公正な価格形成を実需者、消費者に担保する

そんな中、担い手は農業政策にどのように関わってきたか
どうする5農政活動

―虎の巻―
たとえばJA青年部だと…
<食料統制下>
・ 要請運動が中心「○×○×はんた~い!」「○○価をあげろー!」
・ 訴求力の有る運動-but-誰のための農政運動だったか?
・ 少なくとも消費者、納税者のために○○あげろ―!○×はんたーい!ではなかったね
・ そんなエゴ農家に拍手をおくる者がいなくなった→国民のハートをキャッチしていなかった
・ 農業?米?食?…大事だけど、でも過保護なんじゃない?
<農業者は>
・ 霞が関も永田町も大手町も遠いし…誰かがなんとかしてくれるんだべ~
・ 誰かって…組合長?(真に生産現場を知っている代表者か?)
・ 誰かって…代議士?(今は王国崩壊しちゃったけど…)崩壊してから分かることもあるね
・ 何とかしてくれないと死んじゃうよ…政治は弱者のために
・ 俺たちは弱くてショボイ…でも、弱者とショボイ者とは違うけどね~予算確保の常套手段→農民、JAマン、行政マンでさえ…国のお荷物“北海道”
<基本計画以降>
・ 生産現場に携わる者として責任ある政策提言を求められてきた
・ -but-政策提言能力…ゼロ(特に畑作本作、酪農)トレーニング不足、レッスン不足
・ 我々も納税者、生活者、消費者…如何に理解してもらうか?→消費者対流事業の原点
・ 『果たさなければならない責任』と『負託にこたえる能力』なんとしても身につけるべ!!!
・ まず、やることをやる!そして、言うことを言う!

まずは自己発信だが~自分のことを自分たちは知っているか
どうする6十勝の農業

―虎の巻―
・ ある先輩の言葉「よけいなこというな」→反骨
・ とにかくトレーニング!「理論武装」「自己発信」→自分たちの考え、想いを「作文」に!
・ 自分なら自分たちのことをこう言う、こう書く→俺たちはこうやってきた!だからこう思う!
[十勝の農業:JA経営実務H17.5月号]

動き出す政策議論
どうする7プロ農家

―虎の巻―
品目横断発祥の地…あれこれ
<現地ヒアリング>大名行列からは本当のことは分からない(H15)
・ もともとは“輪作助成金”(北農中組織討議H14~)輪作に着目をした経営政策
・ それまでは品目ごと→経営体に「輪作体系を基とする」→畑作輪作を構成する品目
・ -but-霞が関は輪作って知らなかった(分からない人が知らない人に説明するからおかしなことになっちゃう)とにかく現場に!北農中、ホクレンがしかける→JA青年部、担い手が応えるこたえる
・ オシノビ視察団に応えるために作戦会議「ありのまま~俺たちはしょぼくないだろ!」
<経営政策に関する組織討議>
・より経営努力、営農努力した生産者こそより報われるべき経営政策出なければならない

努力した者が報われる…の起点
どうする8きっかけはDON

―虎の巻―
<かみあわない政策議論>
・ 米の次は畑作?ミカンやリンゴだって品目横断だべ?しょせん北海道のためか?まだ補助金ほしいのか?
・ 紛糾する大手町…米は、田んぼは二千年も前からこの国と日本人をつくってきた!
・ 捨作に触れてもらうと困る…同じ農業者だべや
・ 灰皿が飛び交った懇親会場(先輩談)
<きっかけはDON>
・ H14春畑対「奨励金もらってるんだったらせめて赤カビ病の防除くらいしれや!DONで道産小麦売れなくなったら誰が責任取るんだ(怒)」
・ 転作奨励金=悪しき平等原理からうまれたバラマキ農政の元凶だったのではないか?
・ どうやって気づいてもらうか?誰に分かってもらうか?誰を味方につければいいか?→ファン
<プロ野球理論>
・ プレーヤー=農業者、球団=国、ファン=国民
・ すべてはファンのために!
・ プロ農家のあらまし(新庄エピソードH16道民球団ファイターズOP戦)
・ 30対0の少年団が…

米をどうするか?
どうする9米政策

―虎の巻―
ファンのために…稲作農家の裏を通すキラーパス
-but-北海道本作畑作農家、酪農家は米稲作政策を知らない→正しいことが届かない(米=本流)
・米の需給環境、販売環境、生産環境、経営環境はどうなっていたか?
・政策環境は?
・見えてくる対称軸<畑作本作vs転作捨作><転作vs単作><府県稲作vs北海道稲作><主業vs兼業>
・もっとお米を食べましょう~で、自給率があがるか?消費者ニーズにこたえる整合理由が存在するか?
・『新たな日本型食生活』をどうしかけるか?

畑作本作の評価はいかに?
どうする10本作畑作の評価

―虎の巻―
<プロ農家の定義>
・タフネス、ナイスセンス、努力と工夫、トレーニング
・緊張感のある競争から“産地”を鍛えてきた。生産責任を果たしてきた“産地”&“生産者”
・クリーンナップ…5番バッター(政策環境が取り残されている→公正な評価をしてきたか?)
[農家は生き残っても農村が死んでしまう]
・ 北海道は主業農家対策こそが農村振興にかなうもの
・ 新庄選手のギャラを決めるテーブルで、明日の少年団の練習試合の送り迎えを誰がやる?という話をしちゃダメだ→どちらも大切-but-テーブルは別であるべき
<品目横断議論以降>
・北海道バッシング→本作化している転作農家だって(脇役の横入り)
・北海道はかわいそう→お行儀がいい?西南から開けていった日本の夜明け
・被征服者根性、被植民地根性/内地って言ってないか?(沖縄県人が言う本土とは違う意味)

北海道農業~産業使命とは
どうする11遺言

―虎の巻―
あるトップリーダーの死…遺言…受け継がれる想い
<皆それとは知らず食べているメイドイン十勝、メイドイン北海道>
・だから知ってもらわなければならないことがある!
・構造改革の到達点~十勝にだってすでに限界集落が…
・マスプロダクションの評価~だからこそ農業王国、この国の食料庫
<“補助金”を補助で終わらせない>
・ 補助金の在り方について~“JA―自民党(族議員)―農水省”という鉄の三角形『農政トライアングル』をつくる元凶を仕立ててしまった。
・ 補助金さえ貰えればそれでいいか?
<地味でも堅実な基本的プレイ→まずはしっかり“穫る”>

さて、現状はどうなっているか
どうする12品目横断の総括

―虎の巻―
置き去りにした品目横断の総括<品目横断の穴>
・総括しないまま政権交代→肩すかしの基本計画
<評価>
・認定農業者+土地規模要件=構造改革を推進していくスタンス
・改革度の高さを内外に示すことが出来た(タフなネゴシエートに耐えうるカード)
・少なくともそういう準備をしなくてはならなかったのではなかったか?

どうなる戸別所得補償は?
どうする13戸別所得の疑問

―虎の巻―
制度理念が置き去りになっている
<プロセスの共有なし>
政治主導でアリバイは作ったが…生産者としての説明責任を果たす場所が用意されない
・ 丁寧な説明がない→プロセスを共有できないと他人事になっちゃうぞ
・ 米モデルの所得確保のシステム(バーチャル)からみて、畑作バージョンは明らかに所得対策システムが欠落している
戸別補償米モデル
(米モデル事業のバーチャル所得)
・ 戸別って…JAはどう関わるのか?「生産数量目標」は誰がどうやって決めるのか?出口は?
・ 知らない誰かが勝手に決めてしまったら、補助金なんかもらった者の勝ちみたいになるぞ!
・ 生産者にとっても納税者にとっても不幸…後回し、後付け、置き去りの制度理論
<あまりに拙速、不親切、不丁寧>
・ 壮大な社会実験???俺たちはモルモットか…
・ 分かりやすくはなったけれど~
比較イメージ
(イメージ)
・ 実は現場はそんなにあてにしていないかも…制度に振り回される怒り、焦燥感、政治不信
・ これで何とかなるのか?日本の農業…ビジョンも、テーマも、理念もなしに

知っておきたい国際貿易規律の強化
どうする14国際貿易規律

―虎の巻―
国家貿易品目(原料型重要作物)の生産者だからこそ知っておかなくてはならない貿易規律

・世界の富の平準化
・開発ラウンドの所以~予想を超えて力を付けた新興国の発言力の大きさに交渉はスタック
<農業交渉>
・例外措置をどうするか?→日本型提案

・WTOを補完=ローカルルール

・郵貯マネー、アフラック、米国人の弁護士etc…USAの一番東にある州か
・きっかけは普天間問題?二国間のテーンブルに引きずり出してきたい思惑?

よりどころの自給率向上議論だが
どうする15自給率

―虎の巻―
<カロリーベースのからくり>
いわゆる屁理屈の世界
・エネルギーと食糧供給の多チャンネル化と食料主権、食料安全保障を両立させた国策
・自給力ともったいないをどう仕掛ける?
・農業者の主張(消費者、納税者の視点も合わせ持つ重厚で骨太な主張)

先進地と言われるEUの農業政策は
どうする16EUの共通政策

―虎の巻―
<CAP=構造改革を担う基本政策>
・構造改革が国民の合意形成の担保になっている
<環境対策とクロスコンプライアンス>
・生産者規範を高める施策→国民のニーズ
<ドイツのマイスター制度>
・豊かな教育力こそ国と農業の宝、財産
<動物福祉>
・単なる経済動物ではなく、感受性のある命を人の糧にすることへの尊厳的思想と政策支援
<スロウフード>
・経済至上主義に警鐘。豊かな食と文化の形成にかかわる農業者、地域人の関わり

どうする担い手
どうする17担い手の課題

―虎の巻―
《自己発信》誰にどう伝えたるか
・ 今日聞いたことを自己消化し、それぞれ思うことをそれぞれの方法で皆さんの一番身近な人に話してほしい。
・ 一番身近な人に分かってもらわなければ(奥さん、恋人、両親、友人、隣の農家の親父さん…)多くの国民、消費者、生活者、納税者にだって分かってもらえない
・いつ伝えるか~今日言えること、明日いうこと、未来に…自分たちの目と耳で確かめてほしい
・どう伝えるか~今はデジタルの便利なツールがあるね(ホームページ、ブログ)
《仲間とどうするか》
・ 想いが同じなら必ず巡り逢う仲間がいる
・ お互いを磨き、高め合い、共鳴共振する仲間~新しい出会いから生まれる可能性は時代を動かす原動力になる
・ ワクワク、ドキドキするのだ!たとえるなら暴走族的高揚感♪つるむから楽しい♪
《若者だからこそ》宿題~求められるのは高度な両立
・自己経営→まずはやることをやる(草ボーボーにして会議には行けない)
・地域振興、社会貢献に如何に取り組むか→理を捨てるな、行動力は若者の特権だ!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


みなまで言うな…
某指導農業士の先生に注意されたばかりでしたが、休憩なしにがっつりお話しさせていただきました。本当は後半は意見交換などしたかったのですが…やはり尺が足りない…反省ですな(汗)

農業政策の記事はこの農園日記でも時々アップしていますが、専門用語が多かったりして農業者であっても難しいかもしれません。
優しく、丁寧に、つまらなくなくお話しするのってやはり難しい…

でも、今回は若妻・女性の方たちが真剣に話を聞いていただいたのでプレゼンしやすかったです。
特に力を入れたところ、ここはミソ、実はこうなのさ~というところを“フム、フム”とうなずいて聞いていただいたのにはモチベーションが上がりました。

概して女性の方が公聴態度(お行儀も含めて)良くて、聞き方が上手です…
そう言う意味では、見習いたいと思う農場長。
もちろん一番身近なヒラリーにもきちんとお話ししますぞ。
案外“素”なので時々ドキリとする指摘をうけることも~
それが役に立つことも~
その逆もしかり…もちつもたれつ…ありがたい…

【追記】
またどこかで、何かの機会に、こんなことを発信できれば~
農場長の脳ミソ的にも整理整頓するいいチャンスだったと思いました。

ヒラリー「でも、事務所の散らかり具合…ものすごいわよ(驚)腐海のようよ(呆)なんとかしてよ(怒)」
巨神兵をつれてきて焼き払うような勢い…

やばい…農場長の足の臭気も腐海に侵されたせいだったか?

《次記事予告》
―笑顔を見せないで~の心―




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ふりかえると
12/25
今年も色々ありましたね…という座談会~

年の瀬を迎えてちょっと露出度が多い農場です。
(来年こそ!と思いつつ…)

先週17日に地元紙、十勝毎日新聞社『勝毎 農業ガイド』の“農業この一年座談会”のご案内をいただき参加しました。

~で、今日新聞に掲載されていました。
勝毎農業ガイド半紙

よかった…写真フレームから顔がはみ出してなくて(ホッ…)
~というのが正直な感想。

~というか、白髪加減と髪型だけは最近敬愛してやまない舘ひろし氏のようです。
白黒の写真でも白髪、ずいぶん目立ってきましたな~

「本格的じゃない!“本格”なんだ!」
(心の声by農場長)
自画自賛はこれくらいにしておきましょう。

事前に用意されていた設問はかなりボリュームがあって、以下のようなカンペをつくってのぞむのですが~

====================

設問その1
「今年の気象(春の低温、夏の猛暑)を振り返ってどうでしたか。どんな影響が最も大きかったですか。」

・春耕期スタートの4月は4半旬(4/15)以降、二日続けて晴れたのが28、27日のみ。植えつけが大幅に遅れて作物のステージ、作業に支障をきたしていた。

・逆に5月は順調で作業も取り返しつつあったが、後半の雨で大豆小豆の播種ステージを遅らせてしまって関連する管理作業等苦戦だった。

・しかし、6月は近年になりぐらい順調な天候推移だった。もし昨年のような6月だったら…と思うとずいぶん救われた。

・いわゆる前半戦、生育初期は管理作業期の順調な天候に助けられてそこそこ期待感があったが…

・しかし、小麦だけはなかなかよめなかった。ちなみに出穂期赤かび病の防除1回目ではわが家は18日。例年からみて10日ほど遅れた。ステージは追いついてきつつあったものの、やはりこの時点で10日遅れは今にして思えば致命的。作物の寿命は決まっているから、登熟期が詰まってしまうことが予想された。

・そして生育中期の7月、8月は猛暑に豪雨のダブルパンチ。
猛暑はいわゆる夜温が下がらないという点で作物の体力を奪った。もちろん人間もだ。
しかし、最も影響が大きかったのは豪雨、かた振りだ。小麦収穫が始まる7月下旬でけでも140mmほど降っている。コンバイン作業は本当にタフだった。

・また、8月も台風と集中豪雨で8月11日からの2週間の間に200mm以上降っている。
結果的にこの時期の豪雨が根菜類、特に馬鈴薯、甜菜、人参などに非常に大きな影響を与えた。

・9月に入っても高温、夜温が下がらず甜菜の糖度などに影響を及ぼした。小豆などもステージが進み過ぎて過熟傾向になったかもしれない。


設問その2
「畑作では営農管理がどう難しかったですか。特に小麦は受粉期に晴れて豊作が期待され、収穫直前まで不作という声はあまり聞かれなかったが、現場ではどう感じていましたか。猛暑が良かったという品目はありましたか。」

・小麦については起生期の低温でしっかり体力のある幼穂が育たなかったのではないか。結果的に外見上身体はできたけれど、花粉の生産量や受粉力が低下していた。
赤かび病の防除などしていても、思った以上に受粉していないなぁ~不稔が多いなぁ~という実感はあった。さらにその後の高温で登熟が駆け足になってしまったことが粒張りをおさえてしまったのではないか。

・また、現場段階では情けないことに収穫期になって分かったことだがハダニの発生が非常に多かった。H12年も発生が多かったがその比ではない。この点について指導機関からは注意喚起がなかったが、結果的に葉枯れをおこし登熟を加速させた要因の一つになったのではないか。

・作業歴と生育ステージのミスマッチやギャップがあった。春先の天候で遅れぎみの作業ステージで推移したが、作物の生育ステージはいつの間にか追い抜いてしまったという感じで対応できないものもあったのではないか。

・内部品質を高める時期(8月)にきて高温多雨傾向になり、防除作業はタフだった。従前は卓功性が認められていた薬剤もシャープさやパンチ力が無くなっているような感じがする。結果的に従来より防除回数を多くしたが病害虫が蔓延した状況にあった。
潜在的に保菌密度が高くなった圃場や、害虫のサイクルも早まり発生数も多く越冬している。雑草も通常の発生ステージではなくなってきたことから、いわゆる重点防除がずれていたり従前の防除暦などはあまりあてにならないかもしれない。来年はより的確で適宜な対応が求められるだろう。

・春作業時の貯金のなさが十勝山麓などの条件不利な地帯ほどあとあと大きなハンディキャップになった部分がある。特にジャガイモなど高水分の圃場に無理やり植付した圃場などでは管理も収穫も非常に厳しかった。そもそも萌芽不良の圃場が散見された。

・全国的に猛暑だったこともあり野菜は全般的に高値。脇役野菜も今年はしっかりマーケットの理論が働いた。ただし穫れなかったので収入的にどうかというものはそれぞれの品目で収益性は違ってくる。
良かった品目は?と言われればなかなか思い当たるものがない。
ただ、度を過ぎた高値は後で必ず仇を取られる。やはり生産意欲が喚起できる市場環境がベースにありつつ、安定供給が命題だが本年はそれを適うことが産地は難しかった。

・北海道ブームということもあり、アジアマネーが元気だった。体験型の観光農園をしているが、日本語の通じないお客様が増えてきた。別な業種では“大人買い”的なお客様層があったりしてごく一部、ピンポイント的にはバブルみたいなところもあった。
ただし口蹄疫の件なども含めて地域ぐるみの検疫体制など、今後の課題や取り組みが求められるものになった。

設問その3
「酪農では乳価が1キロ約4円下がり、口蹄疫対策もあるなど大変な1年だったと思います。現場ではどう受け止めていましたか。」
(大樹町酪農家 鈴木氏への設問)

設問その4
「今年の経験(教訓)をどう生かしたいですか、生かすべきですか。」

・排水対策~パラソイラー等が有効。もちろん暗渠明渠の基盤整備は必要。

・土づくり~やはりきちんと有機物を還元し緑肥を撒いて輪作をしっかりしている圃場は減収率が低いしこんな年でも内部品質もそこそこ納得するもの。基本技術とはいえ最も手の抜きやすく結果がなかなか見えない取り組みが“土づくり”だ。

・適期作業~とりわけ薬剤のより確かで確実なチョイスと防除作業。ただし主産地の構造的な問題も課題として整理しておかなくてはならないのではないか?

設問その5
「来年からは畑作で戸別所得補償制度が始まり、酪農畜産の制度も近い将来、戸別所得補償制度を導入するという話もあります。TPP参加交渉の問題もあります。現場でどんなことを感じていますか。国にはどんな政策を求めますか。」

【戸別所得補償制度について】
・現行制度(水田・畑作経営安定対策)と比べてどうなるか?というのは経営的にも最大の関心事項だが、本来なら『現行制度の何のどこをどう総括した結果、このような制度体裁になりました』という順番でなければならないはず。デジタルな数字(支持価格原案)は本当ならその後の予算設計と制度設計の折り合いをつけながら、という順番ではないか。

・事実新制度は、民主党がH19時に掲げていた『戸別所得補償制度』とは少なくとも全く別の物になってしまった。これらのことについて納税者、農業者、有権者に丁寧に説明しなくてはならないし、そういう部分を端折ってしまうと結局『農家には悪くしないから、お上の言うとおりにしてくれ』となってしまうし、現場も政策議論に共有感がなければ『補助金なんてもらった者勝ち』みたいな時代に戻ってしまうと危惧する。

・数量払いはわかりやすいという意味では評価するが、国際貿易規律の強化に対応し構造改革を促すための担い手育成に対する加算措置などが必要か?必要でないか?の議論はTPPに絡めても当然やらなくてはならないソースだ。

・さらには制度の体裁として所得補償という観念がなおざりになっている。農家所得がどういう水準で、だからどうあるべきかといった議論が完全に欠落しており、生産者が思い描くものとは明らかに異質のものになってしまった。

・そういう意味からも、期待度はそれほどではなく課題は山積である。しかしもちろん希望は捨ててはいない…が多くの農業者の想いなのではないか。

【TPPについて】
・民主党の姿勢には当初、“担い手”とか“農業構造改革”とかの文言が一連の政策議論から消えていた。土地規模の要件化などが結果的に地域の枯れ進みを進行させてきたとの見解からだ。
しかし、自民党政権下においても『農家は生き残っても農村が死んでしまう』的な議論はあり、そういうものに整理をつけてきたのが今時の経営安定対策である。

・少なくとも土地利用型作物、国際貿易上重要品目と言われているものを耕作する経営体、産地はこのことについて納税者のコンセンサスを得ることを前提に、世界と戦う最低限の準備をしなくてはならなかったはず。その部分で後退してしまった感はいなめない。

・しかも、ここにきてTPP問題で“農業構造改革推進本部委員会”が立ち上がるなどして基本農政の基軸が大きくぶれている。特に国際交渉は準備なり、ビジョンなりを持ってのぞまなければ非常に危険であるし愚かなことだ。
たとえば準備とは担い手要件・規模要件であり、ビジョンとは旧政権下の国会決議や日本提案なるものである。
そういうものが示されないまま、「乗り遅れるとたいへんだ」としてオロオロしてしまうのは、農業農村の受ける影響云々という以前の話として、民主党の基本農政の姿勢に大きな不安と恐怖を感じるものである。

設問その6
「そのほか、今年を振り返って付け加えたいこと、思ったこと。」

【政府・農水省への要望と北海道(地域)農業の対応方向】
・“政治主導”と称し政務三役が現場に来てヒアリングをやりました~までは良かったものの、それがアリバイ作りになって、その後のキャッチボールがない中で制度改変を迎えるのは拙速と言わざるを得ない。

・踏むべき路順をふみ、ピン止めしながらもう少しガチャガチャしないと制度は磨かれないし、多くの国民、生活者や納税者に理解されない。
補助金をもらって補償されるのであれば制度理念などどうでもいい、となれば農業者にとって他人事のようなことになってしまう。少なくとも現場の人間がやるべきことをやっている者として、しっかり説明責任を果たす場所は必要だし、政府、農水省にも丁寧な対応が現場にも納税者に向けても求められる。

・また、改変期にあたり個々の営農強化は農家個々の工夫と努力で乗り切らなければならないことは当然として、少なくとも食料基地北海道の担い手農業者の意欲と能力を公正に評価される制度なり仕組みが必要で、そのことを自己発信する手立てやコネクションを構築していくために、農業者自身も今少し汗をかく必要があると考える。

====================

ちなみに、設問5、6については先月、業界紙『ニューカントリー誌』の新春特大号の新春アンケートの依頼があってちょうど設問がシンクロしていたのでまとめができた~というのが種アカシ。
ニューカントリー新年号

あと、反省点として…
今年になってから歯を患っている農場長。
実は恥ずかしながら歯抜け爺です…なので、発音が悪かったのか“小麦の葉枯れ”の原因であろう『ハダニ』のロジックが紙上にのっていなかったり、“パラソイラー”を『パラソイダー』と書かれてしまったりして、テープおこしにご苦労をおかけしたようでした。

ただ、後半時間の限られた中で内容の濃いやり取りが出来たのは農場長的に収穫でした。
残念ながらその部分は紙上に掲載されていませんが、いずれ農政課題の記事でアップしたいと思います。

なかなか笑顔で振り返ることが出来ない行く年も残すところあとわずか…
クリスマス寒波の大雪は、農夫たちの苦戦の戦歴と傷跡に深々と降り積もるようです。

【追記】
ところで農場長の写真、きっとカメラマンさん困ったでしょうな~
ただ、髪型や白髪加減はともかく口元…微妙にアヒル口でAKB48の板野チンのようです。
もちろん意識していたわけじゃないですぞ~

「会いたかったー!会いたかったー!会いたかった―!Yes!君にー♪」
(死ねば(怒)byヒラリー&娘達)

いやいやいや~これが真剣に踊ると結構ハードなエクササイズなんですなwww

ヒラリー「そんなことより、年賀状と大掃除!大丈夫なんでしょうねー!だいたいフツウ新聞に載るような人がAKBの踊りなんかチャラチャラ踊ったりしないものよ(怒)しかもただでさえ忙しいこの年末に!」

ヒラリーの逆鱗に触れた模様。
おもいっきりヒンシュクを狩った農場長…舘ひろし氏のようになかなかうまく枯れていかないですな~と思った次第。

「なかないで~♪」
自分につぶやいてみるのです。

《次記事予告》
―ゆく年くる年のぞむ年~の心―




どうしようというのだ
10/30
世界と仲良くしながら、世界と競争しなければならないけれど…~

ちょっと?いえいえ、かなり怒っている農場長です。
(長稿です。体調を整えてからお読みください)


「おとうさん!ヤバイよ!大変なことになるよ!」

仕事からあがると、中3の三女が憤慨しています。
テレビで菅総理がTPP(環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定)への交渉参加を表明しているところをたまたま偶然に見ていたらしい。

後期の学級役員で放送委員をすることになった三女は、毎日その日のタイムリーで話題性があってキャッチーなニュースを学校で紹介するみたい~

そこで数日前、パタパタした朝食時に今日は何がいいかしらと悩んでいた三女に
「だったらTPPのこと、少しだけ興味を持って勉強してほしいんだけどね~」
と、ローカル紙の一面に掲載されていた道内農業関係の経済的損失を試算した記事を読ませたり、農場長なりの解説を入れた次第。
ローカル一面

直近にたまたま社会の時間でも勉強したみたいで、他の先生からも難しいけど大切なニュースを材料にしたね~と、話題提供になったようなのです。
そんなこんなの、そんな時のその会見だったので、娘的には大変な危機感を持ったようです。

けしていたずらに危機感をあおるようなことを仕掛けたわけではないですが、三女にとって当事者の関連産業が経済的に大きな打撃を負って故郷がいっそう枯れ進むのはもちろん良しとはしなかったのでしょうが、同時に『国益ってなに?』みたいなものを考えさせられることになったはずですから、やはり中学生にしてみたらかなりハイブローなニュースであったことは間違いないでしょう。

それでも、“これはたいへんなことになるぞ!”ということだけは理解できたようです。

しかしながら、私達農業者もTPPいついては正直、全くのノーマーク。
いわゆるEPA、FTAの環太平洋版みたいなもの~というのは誤りで、ことはそんな簡単なことじゃありません。
何よりの危機的なことは“例外なき関税撤廃”を基本としている交渉事だということです。

当然、我が国の食料安全保障はどうなるの?…というのがまずは第一のハードルでしょうが、どうも状況はよくないです。
というのも世論的には“TPP参加を歓迎する”~が、約半数、反対は25%…などと言うものもあって…
マスコミの論調も「まずは、農業改革の方向性を示したうえで~」とか「国内農業の振興を担保することを前提に~」とかはまだいい方で、「農業分野に国際競争力をつけるためにも、TPPの参加は必要」とか、ひどいのになると「国益の点からも乗り遅れないためにTPP参加は不可欠」などと言うものすらあるのです。

(のりおくれるって…!? )

たとえば“環太平洋”というなら、カナダは?メキシコはどうなっているの?今回は中国が参加表明しそうだっていうからパタパタしているけど、一部ではアメリカを囲い込むためにも参加は必要~などと言う議論もあったりして…

(囲い込む?囲い込まれる?乗り遅れる?…なんじゃそりゃ?)

そもそも、そんな思惑がらみでしかワールドトレードと国益を考えられないヒトが、真にこの国の国力をどーたらこ―たらと言える資格なんぞないと思うのです(怒)

さらにこういう発言、いわゆる有識者とおぼしめす方々が発しているのですが、経済学者や大学の先生やコメンテーターってその程度の識見で食っていけるのだから、ある意味幸せなのかもしれないなぁ~なんて皮肉の一つでも吐きたくなったしまします。
しかも、その尻馬に乗って一介のアナウンサーやキャスターが、さもありなんと「競争力を如何につけるかという前向きな議論が必要なのでしょうが、まずは参加しなくては国益を損なうことになることは明白ですね~」と、提灯持ちみたいな締めのコメントをした日にゃ“アンタに何がわかるんだよ!”とツッコミを入れたくなりますわね~

いやいや…ちょっと毒を吐きすぎましたか…失礼

さて、どう読み解きどうやって多くの国民に農業者の立場を理解してもらうか…

この場合、損失額が云々という話はスルーにします。
なぜなら、たとえば道庁、経産省、農水省…それぞれの試算は当事者目線で計算されていて、いずれにしても「参加したらたいへんだ!」or「参加しなかったらたいへんだ!」という作為的な数字でしょうから…
(でも、それを真に受けちゃう人がいるから厄介なんだよね)

まずはピン止めしておかなくてはならないこと

“そもそも論”ですが~

二国間、あるいは複数の地域、国家間でとりすすめるEPA・FTAはWTOを補完することを目的としたもので、『WTO交渉が進展しないから、先行してEPA・FTAを締結してしまえ…』は、ルールを無視した乱暴なものです。GATTの条項の中でも自由貿易を推進しようとしながらも、EPA、FTAの締結は一定の条件を課して例外的にこれを認めることとしています。
WTOは『先進国も後発国もお互い、少しの犠牲と努力をもってワールドトレードの富を広く恵受し、世界の貧困を解消しよう』…を最大のテーマとしていますから、その事が担保されるものでない限り、交渉自体、整合性のあるものとは言えません。
よく経済学者が『国際競争力のある農産物』を、いいますが、例えばタイの農民が生産しているキャッサバ澱粉は、私たちの生産している馬鈴薯澱粉と競合するものです。価格では国産の25~30%で(横浜港渡しで…)とうてい太刀打ちできるものではありません。
しかし、タイの農民がはたして『国際競争力のある農産物』を生産しうる正当な評価のうえで、労働対価を受けているでしょうか?単に、仲介する業者、輸出入に携わっているトレードメジャーに搾取されているのではないですか?意欲あるタイの農民はより高収益な果樹、園芸を導入したいと思っていますが、それがかなえられない経済構造、あるいはノウハウが無いのが現状です。
それを二国間で相互協力し経済連携を強化しましょう…と、言うのがEPAで、その分野で日本農業の関係者やJAグループは汗を流していますし、これからもそう…それは、WTOの理念…、つまりワールドトレードの在り方として『世界の富の平準化』を支持するからです。

つまりそのことが、ドーハラウンドが開発アジェンダと表現される所以なのであって、ウルグアイラウンドから継承し議論されている部分ですし、それこそがフェアトレードの根幹です。
しかし、このことを認識されている“有識者”や“経済人”や“コメンテーター”という方々が意外と少ない…以ってメディアでそのことがきちんと語られることがないまま「乗り遅れるとやばいぞ」とか「日本は負けてしまうよ」とか先導的になかばヒステリックに先行報道されていることに非常に大きな危機感を持っています。

はたして、乗り遅れさえしなければ…日本の、しいては世界の富は平準化するものでしょうか?
分かりやすく言えばWTOの交渉はグローバルルールを決めようとするもの。
EPA、FTA、TPPはそのグローバルルールを基にローカルルールを決めて連携していこうとするもの。
ここにきてグローバルルールを決めようとするテーブルは完全にスタックしていますが、あくまでも一括受諾方式(シングルアンダーティキング)を採用して包括的な交渉方法を用いていますから、議論に時間がかかっても弱いものがはじかれることはありません。
一方、ローカルルールのEPA、FTA、TPPはスピード感や実効性も求められることから早期収穫方式(アーリーハーベスト)が基本とされています。

グローバルルールが決まらないから、もしローカルルールをさっさと決めて出来るところからチャッチャとやってしまったら、弱いものがはじかれませんか?つまり、開発アジェンダは実現しないということになりませんか~
そういうことを分かって市場開放や自由貿易から国益を確保するのだ!と主張されておられるのか?このところのこの話題でマスメディアに登場する“有識者”や“政治家”は…もし識見がないまま、そんなことを主張しているのだとしたら、この国は別な意味で本当に恐ろしい国なのだと思います。

さらに言えばWTOの交渉時に表明している“日本提案”みたいなビジョンが全く読みとれていないし、用意されている節がありません。そんな状態で交渉のテーブルに着くのは非常に危険です。
なにより参加ありきの空気を作ってしまい、世論の合意形成や一部のハンディキャップを持っている産業の不具合をどうするのか?という議論が棚上げされています。
高度な政治判断が求められている~などと言う割には、準備もビジョンも何も用意しないで参加するのは本当に愚かなことです。

あと、言うにこと欠いて次期総理候補の一人、某外務大臣は言ってくれましたな~

1.5%を守るために98.5%が犠牲になっている~???

だったら、その1.5%を犠牲にして食料安全保障を海外の生産環境に委ねてみたらどうでしょう?
輸出工業製品は飛ぶように売れてGDPは跳ね上がり、日本人はみなハッピー♪
毒餃子は食べ放題!
(安くても、高くても、安全でも、危険でも口に入る物なら何でも買ってくれる日本人♪)
ポジティブリストに抵触する野菜や果物で市場は大繁盛♪
(見た目と味が良かったらかまわないでしょ)
原料は何か分からないけどとりあえず白くて甘い砂糖や、後発国の農民から搾取したタピオカ澱粉であふれかえり…
(フェアトレード?安けりゃいいじゃん!安くて何がわるいのさ)
大豆“由来”と称する味噌や豆腐で家庭食は活気づき…
(食の文化?気にしない気にしない~食べれりゃいいんだから)
ポストハーベストアプリケーションの小麦でアレルギー科の病院は大流行り。
(だいいちアレルギーを持っていないヒトの方がいまや少数派でしょ)

ほんとうに…素晴らしくも恐ろしい経済大国、ニッポン!

なぜ98.5%をもってしても1.5%を守れていない~と、考えられないのでしょうか?
もうすでに十分な量を海外に依存しているというのに…

そういうことを平気で言えちゃう大臣って、事業仕分けの対象にならないのだろうか?
(あ…貿易は1番で、あとは2番でもいいのか~)
もちろんそんなイタイ大臣って今までにもいたけど、そう言うのが嫌だから有権者は政権交代を選択したんじゃなかったんだっけかなぁ~
もっとも選挙の前からFTA、EPAの件も、なんとなく某政権与党はいう人ごとに軸ブレブレだったから、たいして信用していなかったんだけど~

帯広や、北見や、中標津がゴーストタウンになる…

選挙の時の有権者は投票用紙に見えてしまうような亡国議員の皆様には想像できんのでしょうけど、北海道はかつてそれを旧産炭地や遠洋漁業都市で経験済みなのですがね…

そもそも、こういうことを言わせてしまう政党を、自主投票という形で応援してきた某JAグループが一番情けないのでしょうけど…

あ…またまた、毒吐きすぎましたか…

“これはたいへんなことになるよ!”

そう…ことは中学生でもわかる話…なのですが

【追記】
もちろん、まずは農業構造改革に現場はしっかり取り組むことが必要でしょう。
やることをやっていないで、文句だけ言ってもそれは通じない話…

ただここにきて“農業構造改革”とか“担い手育成”とかの文言、どこかに行ってしまいましたな~
新制度もバラマキ感満点ですが、なぜかマスコミの批判論調って少ない感じ。
なにより、いわゆる“シロモノ”と言われる原料型作目を耕作している大規模畑作、あるいは酪農が『やることやっていない』なんて評価されているのだとしたらものすごく悲しいことです。

ちなみに“シロモノ”…今回のTPPでことが及ぶとそれこそせん滅的なダメージを負うことになりますが、そのことを永田町ではあまりイメージされていないご様子…

あと、食料自給率に絡めてこのことに反対している方もおられます。
もちろん、条件有りなら参加を容認する人も…
さらには、牛肉オレンジが自由化になったってさして国内農業に影響がなかったという論調も…

どれも机上の議論です。現場を見ていません。
たしかにワールドトレードの恩恵を一番受けているのは私たち日本人かもしれません。
しかし、それは同時に同じ分量の責任が伴うことでもあると思うのです。
その責任を果たさないまま、「乗り遅れるとたいへんだ!」とあおられてアタフタとしてしまうこの国の偉い人たちは滑稽にすら映ります。

世界中の人が日本人並みの生活をしようとするならば、計算上地球は二つ以上必要なのだそうです。
でも奇跡の星、地球はひとつなんです。

そう…それこそ、小学生でもわかる話なのでしょうけど



ようやく
8/25
戸別所得補償制度の原案が提示された件について~

久々の農政ネタ

H23年産秋まき小麦を播種する予定の前作が順調すぎるくらい仕上がってくる中、ようやく畑作版の戸別所得補償制度の骨格と単価などの原案が民主党農林水産部門会議で農林水産省から提示されました。
道新8月25日

率直な感想…

「ようやくか…」

待ちくたびれたというか、一応はやる気あったのね~みたいな感じ。
数量払い(いわゆる黄ゲタ)と面積払い(緑なの?)の水準は各々、産地やJAによって評価はわかれるかも知れませんが、分かりやすくなったという意味では評価できるかね~

しかしいきなりデジタルな数字!かなり生々しいですな~
旧制度(~H18)の“畑作政策価格要請運動”時よりもパンパカパ~ン♪的です。

新聞報道を読み込みながら早速、北農中や関係者にお電話して聞いてみるのですが、やはりまだまだドロッとした感じで“?”マークがちりばめられています

例えば…
数量払いの計算基礎は?
「水田モデル版と同じ7中5、直近3のようです」

生産費は全算入?自家労働費は100%なの?
「100%のようです」

面積払いの単価は?
「交付金規模から逆引きのようです」

ふむふむ、予想通り…というか、だったらもっと早く現場にアプローチできなかったのかいな?
しかし、予想通りといえば政策議論のプロセスも現場と共有できていないことも想定内ね?
やはり、現地ヒアリングがアリバイになっちゃってたかね?

でも、自家労働費が100%なのは座布団一枚かも?
いやいや、当然と言えば当然なのですよ!
そうでなければ原料型作物を耕作している生産者の経営環境って、“骨折り損のくたびれ損”ってことになってしまうわけですから~
例えば、北海道畑作本作は世界の農業先進地EUの収量水準とほぼ肩を並べるか、それ以上の生産環境を実現しているのに“くたびれ損”なんて、あまりにもあんまりですわね~
まずはそこ、きちんと評価してくださいよっ!ってことね(願)

あ…あと、「営農継続払い」が15,000円/10aは頑張ったんじゃないかぃ!
仮にこの営農継続払いと合わせて10a当たりの農業所得が20,000円(小麦だと全国平均の“本作”で6,000円だからね)だとしたら40ha(十勝管内の約平均耕作面積)の耕作で農業所得は8,000,000円
でも、借金払って生活費ひいて…当期純利益っていくらくらい?のこる?のこらないんじゃない?ギリ“くたびれ儲け”かね?
本当はこういう話を、逆引き算出の前にしたかったのよ!
「経営努力目標的に畑作はこういうビジョンで経営安定対策を仕掛けます!」と、もし先に言ってくれてその結果が15,000円だったら、痺れたのに~残念だわ…


そもそも面積払いは緑でいけそう?整合性ある?ジュネーブでもめないかい?
「“青”で仕掛けられないかと…」

ここ、しっかり理論武装しておかないとヤバイ…
WTO農業交渉はスタックしているけど、予断を許さないのでしょ?
そもそも交渉のテーブルにつくのって民主党が嫌いな全中対策室ははずして、初心者マークつけているビートや雑豆なんて見たことないセンセばかりでのりこむわけでしょ?
「米、死守!」とか言っちゃったりしてね~大丈夫かいな?
(そりゃ~米は守れだけどさ…)


対象農家は?面積要件や認定農業者はどうなるの?
「そこはかけない…というか、全ての販売農家か、もしくは“生産努力数量”を守った者みたいな…」
あ~米に準じてってこと?
「ただ、小麦、大豆は自給率向上を目標にしているので、増産、増産ですから数量を守ると言っても…」

ばらまきって批判されないかい?
はたして納税者のコンセンサスって得られるでしょうかね…
少なくとも“土地利用型作物”についてはその生産環境において構造改革は必然でしょ?
小規模も零細農家も生き残れる政策って、寝言でうなされるように唱えているけど対象品目が「小麦」「大豆」「澱粉原料用馬鈴薯」「甜菜」「ソバ」「ナタネ」ってアナウンスした以上、そこはきちんとしてくれなきゃ困るな!(怒)


ナタネ、ソバの単価はいつ提示されるの?
「結構ギリかと…」

新得、ソバの産地で町でも独自の振興策打っているけどね~やはり気になるのです。
でも、生産費調査、今年からなんだってよ…選挙のかなり前からあれだけアドバルーンあげておいて、今までなにやっていたの?
(政党案の試算すらないんでしょ?)


営農計画書、書くときまではガチッとしてる?
「ただ、法案を通すとなるとねじれているので微妙でしょうね」

そもそも法律が出来るかどうかのところからか~
ヤルヤル詐欺党の代表選で今はそれどころじゃないけれど…
法律って、段取りやら、手続きやらで簡単にテキトーにぱぱっと出来ないでしょ?
ほんとうに!ほんとーに大丈夫かしら?

あと、あと…
「産地資金の400億投入の効果と狙い」とか
「数量払いは毎年見直されるのか」とか
「ならし制度のこれから」とか
「環境加算、規模拡大加算、品質加算は?」とか
色々とあるのですが、まだカチッとしていないようです。

もちろんこの制度だと“カラゲタ”が無くなるわけで、農業者間でも理不尽さはなくなります。
(ちょっとすっきりした…)

でもでも、まずは本当なら制度の理念みたいなものが構築されていなくてはならないのに、思いっきりはしょりましたな。
いきなり条件闘争です。
しかも帳尻合わせ的にこの期に及んでまだ“1兆円”って言ってるし…

当事者としてつっこんで言うならば、なぜ対象品目が「小麦」「大豆」「澱粉原料用馬鈴薯」「甜菜」&「ソバ・ナタネ」なのか?
その部分を分かりやすく説明しておかなくてはなりませんぞ!
(~というか、まずそこが先よね)
少なくとも、現制度を仕掛けるために旧政権は約3年の月日を費やしました。
(H19年産から始まる“品目横断”を当時の亀井農林大臣はH16年4月に報道発表しています。)
拙速にしかけて頓挫しなきゃいいけど…

あと、事前のリークで「赤字分を補てんする制度」って言うのはいただけませんでしたな~
勝毎リーク

情報が正しく伝わりませんでした。
多くの国民、生活者、消費者、納税者はもとより農業者からも「努力してもしなくてもどうでもよくなっちゃうの?」みたいな先入観を植え付けてしまいましたね。
もう少し丁寧な説明が必要だったのと、そもそも“赤字を~”なんて制度設計者が考えたフレーズじゃありませんよね~政治主導でやるって息巻いてるわりにはセンセ達もこの程度ってことでしょうか?

多くの有権者が選んでおきながらですが、もwww暗澹たる気持ちになってきますな~

あ…毒吐きすぎたか

農場長のドラエモンみたいなこのお腹は、猛暑によるビールの飲みすぎのせいではなく毒気がたまっているからでした~




土に寡黙

7/12
選挙結果をよむまえに…選挙ネタ解禁/その2~

願いや想いが微妙にねじれてしまったけど、だいたいは予想通りの選挙結果。
結果は結果として、誰かの、何かのせいにするのは易いことですがそこはちゃんと生産的に総括し反省しなくてはなりません。

~と、選挙を振り返る記事は次号として、今回は農林水産省のホームページにアップされていた“行政レビュー”に関する国民の意見を発信したアレコレを解題にして…

毎度のことですが、農水省の国民の意見募集はなぜか募集期間が凄くタイト!
行政レビュー

こちらがマメにチェックしていないこともあるのでしょうが、気がつくと“あらら!もう締め切り?”なんてことは1回や2回ではありません
今回の募集期間は6/25~7/9の正午まで(正午まで?!?!?!)
たいがいJA青年部OBの僚友やJAマン、行政マンから「募集してますけど、何か送りましたか?」と連絡がきたりしてあわてて机に向かったりするのですが、イイワケで格好悪いけど農作業の傍らディスプレイをチェックして作文を書くのって意外と手間がかかって難しいのですわ~
しかも、今回は“行政レビュー”って、聞きなれない言葉…(呆)。

しかしここはちゃんと応えておかないと、またまた「北は寡黙でおとなしいから可愛そうね~」なんて言われかねません。
言うべきことを言わなければネガティブに肯定したと判断されても仕方がないことです。
以前、基本計画の国民の意見を投稿しましたが、なぜかやはり北海道意見、特に農業者の意見って少ないのですわな~
畑にいて忙しくてそれどころじゃないし…とか、
別に文句言ったって始まらんし…とか、
農政がどうあろうとやるようにやるから…とかなら分からんこともないのですが、“そもそも何書いていいかすらわからん”みたいなレベルでスルーにしていたのだとしたら、農業者が想う以上に豊かになれないのも農業者自身に原因があることなのではないでしょうかね…

そこで、農場長、実はあきらめの悪い人間なので、チマチマとキーボードをたたくことになるのです。
(~というのが7/9の朝。ギリです。あいかわらず…)

さて、今回は農道や農地整備にかかる事業仕分けの評価の評価~

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

《事業番号0254:農地の整備》
農地基盤の整備事業を費用対効果のみで優先順位をつけられてしまうのであれば、そもそも北海道本作畑作、酪農のような規模拡大が進行している地域では受益者の絶対数が少ないのだから、費用対効果は低い…つまり、施策費用投下の優先順位は上がらない~という理屈になってしまうが、それは誤りである。
畑作地帯のそれは水田地域と比べてむしろ周回遅れになっているのが現状で、それでも世界の先進農業地域と生産水準で肩を並べるくらいになったのは、現場の創意工夫と農業者自身の自己投資によるところが大きい。
水田整備の優先順位が高いのは最大公約数だが、大規模畑作、大規模酪農の基盤整備の現状も良く把握して、事業を評価し予算執行されることを強く望む。


《事業番号0259:農道の整備》
農道は単に産業道路という役割だけでなく、農業者の生活道路であり消費者と滞留する観光道路の側面もある。
費用対効果のみを優先して事業が評価されてしまうと、たとえば規模拡大が進行している、いわゆる受益者の“はりつけ戸数”が少ない地域の農道は砂利道で我慢しなくてはならないことになってしまうが、それは正しいことか?
そういう砂利道を介して生産されている原料型農産物は、皆それと分からずに食卓に並ぶものだが、それらの生産者価格は昭和60年代から右肩下がりで推移している。それこそが費用対効果と評価されないのか?それをもってして安価、安定供給と言われてしまうのであれば、生産者はあまりにも報われない。
面(畑)の改良は道路などの付帯資源がまず整備されていないと進まないし、完結しない。砂利道のままだと排水対策としての暗渠も効果が十分に発揮できない。
そうやって整備された畑を、さらに10年、20年と “土づくり”を敢行してはじめて豊かな畑になっていくのである。費用対効果や予算の効率的執行だけで事業評価するのは早計である。
また、規模拡大から農作業機などのスペックも向上して、従前の農道ではその機能を十分に発揮できていない。たとえば10年前、甜菜原料の運搬は10tトラックが主流だったが、いまや15t、20tトラック、トレラーの時代になった。しかし現場の効率化に農村の付帯資源整備が追い付いていないし、そういう不具合が生産者に沈澱していることを見逃してならない。
20年前、10年前から国産の砂糖の生産者価格、消費者価格がどう推移していたか?それこそが、費用対効果だと思うのだが、そのことを正しく評価されてきたか?
“コンクリートから人に~”は、生まれてからアスファルトやコンクリートで生活して育った人の発想で、農村実態を把握していない非常に乱暴な議論である。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

今回の参議院選挙で農業分野の公約やマニフェストでは、具体的なものを示している政党や候補はほとんどなくて逆にツッコミどころがなかったりします。
(そもそも、食料、農業分野自体、ローカル公約だったりしてね…)
経営所得安定施策や直接支払い制度、または食料安全保障について言及している政党がありますが、候補者レベルでいうとおしなべて「一次産業の振興」「農村漁村の活性化」はセットのようですが、農業土木、開発予算の必要性と確保をいう候補者はほぼ皆無のようでした。

もちろん、必要じゃないところに無駄に予算が使われるのは全然NG!
だけど、必要なところには必要なわけで、そこはしっかり見て、聞いて、評価して判断してほしいわけです。

事業仕分けでもありましたな~
「農道整備の効果をデーターで示してほしい」

たとえばあなた達が昨日食べた食事のなかに、メイドイン北海道の原料型作物がどれほど使われていたか?胃袋を満たしていたか?その原料型作物の生産者価格が、消費者価格がこの20年間どんなふうに推移していたか?
人に聞く前にあなた達に支払われている文書通信交通滞在費(第2の歳費)で、調べてみてはどうですか?

なんて言ってみたくなりますわな~
そういう作物たちは砂利道でも我慢しながら、生産者が寡黙に土と向かい合い作られているものなのですけど…

声なき声を聞けるようにならなければ、真の政治家にはなれんでしょうが!

もちろん、農夫たちも声をあげなくてはなりませんが…
果たしてその声は届くでしょうか?